橋の欄干 ひとつひとつに 通りの抒情が宿ります。
梅雨空の隙間から、青い日差しが差し込むことがあります。
水面の上を きらめく宝石のように飛びゆく 青い光の矢。
翡翠(カワセミ)を見た日には、こころが はずみます。
空の色は、梅雨の終わりを告げています。
京都の夏の暮らしが到来します。
北大路橋の欄干は、擬宝珠(ぎぼし)ではなく、燈籠型。
夕日が山の端に隠れると、蝋燭のように ゆっくりと明滅しながら点ります。
鴨川にかかる橋には、ひとつひとつに 通りの抒情が宿ります。