大豆の若葉

色も香も 昔の春に 咲きつれど

淡紅の古梅

春の詩人、良寛 と 蕪村 と 鶯の声。

鶯の声も聞かずに、薄紅の古梅が咲き初めました。
庭の白梅より先に、この春を告げる、ひともとの梅。

梅の春風

すっつと伸びた新しい枝には
今年の新しい花が咲きます。
昔も春を告げた、その古いひともと。
初めて知る、今年の春。
この花の清らかさの所以でしょう。

良寛の梅の歌。そして、蕪村の俳句。
春風に、梅の香が染む頃になりますと
頁を開いてみます。

 春風に 軒はの梅はやや咲かむ
 こよひの月夜 君とともにせむ
          ( 良寛 )

軒は(端)の梅は誰を待つのでしょう。


春の梅

蕪村は春の詩人。

「彼の詩境が他の一般俳句に比して、
遥かに浪漫的の青春性に富んでいる」

萩原朔太郎の愛した、この春の詩人は
池大雅と並んで江戸期を代表する
画家でもあります。
私の好きな「夜色楼臺図」に描かれた
京を包む雪は、垣の内外に咲く梅の春を
待っていたのでしょうか。

 しら梅に 明る夜ばかりと なりにけり
          ( 蕪村 )



ゆば長