小学校3年生の生徒さんが、社会見学に来てくれました。
初秋のたかく澄みきった青空の日、京都市立京極小学校の子供たちの、眩しいまなざしと笑顔とが、ゆば長の仕事場に広がりました。
(2022年9月28日)
社会科の授業として、食品工場の様子を実際に見て感じ取る見学。
事前に子供たちなりに、ゆばの作り方を想像して、工程を絵にして考えてくれました。
子供たちの数だけ作り方もそれぞれ個性的、色んな方法があって、素晴らしいアイデア。
湯葉って書くから、大豆の葉っぱをつぶして入れるのかなあ。
ゆばは焼いて作るんじゃないの。
うーん、揚げるのかなあ。
実際はどんな風に作るか、見に行きたい!
そして当日は秋の青空、朝から歩いて来てくれました。着いたらエプロンをはおり、工場と言うよりもささやかな作業場に入って、実際に豆乳作りからゆばの製造まで見学。
たくさんの小さな子供たちが、小さなゆば長の中にあふれるように楽しそうに 動き回る姿は、とても嬉しいもの。
そうか、大豆は磨るのかぁ!
熱いのは蒸気を使うからだよ。
あっ、豆乳が出てきたよ。
オカラは食べられるの?
さあ、出来た豆乳をゆばなべに入れるよ。
豆乳を入れて、蒸気をゆばなべに通してしばらくすると。
あ!これが湯葉か~!そっかあー。
なんて清らかな言葉、所作なのでしょう。初めて知ることへの驚きの声。
みんなの声は ゆば長の天井に響いて、建物も嬉しくって体をゆすっていました。
竹串でゆばの膜を引き上げる作業、巻いたり包んだりして加工する作業。
製品になるまでの工程を、しっかりと見てくれました。
来る前に考えた作り方と、実際はどんな風に違ったかな?
美味しいゆばを作るための、秘密のことば、覚えておいて。
そのあと、ゆばのくみあげ体験をしてもらいました。
出来立てのゆばって美味しい!
こんなに美味しいゆばは初めて。
ゆばは今まで好きじゃなかったけど、このゆばは大好き!
こちらが恥ずかしくなるくらい 褒めてくれて、本当にありがとう!
家業を継いだ中でも、特に嬉しい一日となりました。
みんな、元気に手を振って、秋空の中を嬉しそうに帰ってゆきました。
後日、子供たちがこの日のことを「湯葉新聞」にしてくれました!
班ごとに1つづつ、タイトルも楽しくって、一面にゆば長の特集。
こんなに素晴らしい新聞は、世界中にも他にありません。
見出しがあり、イラストやマンガで工程や取材の様子があって、記事は小さな字で、きれいに組んであって。みんな 作るの大変だったでしょう。なによりの宝物。
本当にありがとう!
作ってくれた8枚の湯葉新聞は、写真に撮って 店舗に掲示しております。
文末になりましたが、今回の社会見学は、事前にお問い合わせ頂いたり、繰り返し来てくださった担任の先生の熱意で実現できました。ここに、心より感謝申し上げます。
(また、京極小学校は京都御所に隣接して所在し、歌人 藤原定家の旧居跡であり、日本で初めてノーベル賞を受賞なさった湯川秀樹先生は誇るべき卒業生。そして、私たち兄妹の母校でもあります。)
ゆば長つれづれ手帖
「小学生のゆばの汲み上げ体験」も 併せてをご覧ください。
若葉のような子供たちの笑顔が広がります。